医療の現場から『腎臓内科、腎・透析センターのご紹介』(2016.10)

こんにちは。今回は腎臓内科についてご紹介いたします。
腎臓は、老廃物を尿として体外に排出することで体のバランスを総調整する、最後の砦のような臓器です。他にも体の水分量やミネラルバランスの調整、血圧の調整、骨を健康に保つ、貧血を予防する、など非常に多くの働きをしています。糖尿病、高血圧、心臓病、高コレステロール血症、喫煙、肥満などと慢性腎臓病は密接に関わり、今や成人の8人に1人は慢性腎臓病に罹患しているとさえ言われています。腎不全は症状が出にくいため発見が難しく、健診とその後のフォローは腎不全の早期発見や進行抑制のためにも非常に大切です。

腎臓内科では、健診後の尿蛋白のフォロー、腎生検による確定診断、保存期腎不全管理、透析治療など、老若男女の腎疾患の加療を行っております。高血圧や脂質異常症の薬物治療に加えて、生活・栄養指導にも積極的に取り組んでおります。1〜2週間の教育入院で合併症の有無を評価し、生活習慣を見直すこともその後の管理に役に立ちます。腎代替療法が必要な段階となってしまっても、血液透析・腹膜透析の両方に対応し、腎移植に関する情報提供も行っております。完全予約制をとっておりますが、お困りのことがありましたら、一度ご相談ください。

(JCHO札幌北辰病院 腎臓内科 佐藤 亜樹子)

腎・透析センターは月・水・金曜日の午前と午後、火・木・土曜日の午前に透析を行っています。通院で透析を行っている患者様が主ですが、当院で他科の治療や手術をするために入院された患者様、旅行で札幌へ来られた患者様の透析も行っています。
週3回の透析を続けることは、生活を制限されることになります。しかし、趣味を楽しんだり、時々美味しいものを食べに出かけたり、旅行したりと生活を楽しんでいる方も多くいらっしゃいます。当センターでは季刊誌「いきいき透析ライフ」を発刊し、どのように生活を楽しんでいるかをコラムの中で患者様に紹介していただいています。
また、年に1回患者様やご家族を対象とした透析教室を開催しています。これまでのテーマは「災害対策」「療法選択」などで、今年のテーマは「ロコモティブシンドローム」です。通院透析の患者様は透析歴が長い方が多く、その分高齢化も進んで来ています。元気に通院を続けていただけるようこのテーマを選びました。私たちスタッフは、透析中の患者様の体調だけでなくご自宅での生活状況にも目を配り、必要時は医療相談室、ケアマネージャーやご家族と連絡を取り、透析をしながらできるだけ支障なく在宅生活を続けられるよう支援しています。

(JCHO札幌北辰病院 腎・透析センター 次重 亜有美)

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