医療の現場から『JCHO札幌北辰病院外科です、よろしくお願い申し上げます。』(2016.10)

今春4月より、JCHO北辰病院外科は佐々木 文章院長、中川 隆公副院長、下國、蔵谷 勇樹医師、藤居 勇貴医師の5人体制で手術・外来・病棟業務を行っており、胃癌・大腸癌・肝臓癌・膵臓癌・胆嚢癌・乳癌などの悪性疾患、胆石胆嚢炎・ヘルニアなどの良性疾患、虫垂炎・消化管穿孔・腸閉塞・腹膜炎などの緊急疾患に対し、積極的かつ標準的な手術治療を実践しております。また、当院の消化器内科・泌尿器科・婦人科と連携を図りながら、手術前後での抗癌剤治療が必要な症例、他臓器合併切除による拡大手術を要する症例にも柔軟に対応しております。

近年約20年の間、腹部外科手術は従来の「大きなキズで」「臓器を直接見て触りながら」行う開腹手術から、「1cm前後、4〜5個の小さなキズで」「カメラで観察しながら特殊器具を用いて」行う腹腔鏡手術へと大きな変化を遂げてきています。キズが小さいことで手術後の痛みが少ないこと、患者(特に子供や女性の方)のキズの見た目に対する精神的負担が少ないこと、早期に退院し社会復帰ができることなど、腹腔鏡手術には多くのメリットがあると言われています。当科でも、胃癌・大腸癌・胆石胆嚢炎・ヘルニア・虫垂炎等に対し積極的に腹腔鏡手術を導入しております。特に、子供や女性の方などの虫垂炎・ヘルニア・胆石胆嚢炎症例に対しては、キズの数を更に減らし、より高い整容性を目指した減孔(げんこう)式腹腔鏡手術を導入しております。

日本では平均寿命の延長および少子化の影響で、厚別地区も高齢化が加速度的に進んでいます。当科でも80歳を超える高齢者症例が年々増えてきており、高血圧・糖尿病・脳梗塞など多くの併存疾患を持つ高齢者に対しても院内の各会誌と協力して治療にあたっています。例えば癌などに対する根治的・標準的手術を行う場合、手術前の検査を通じて全身状態を把握し、非高齢者と同じ標準的手術を行うべきか否かを個々の患者の状態に合わせて十分判別し、手術をうけた患者全員が「元気になって、自分のお家あるいは元の施設に戻る」ことを、当科での高齢者外科治療の目標としております。

「悪性の病気を体内から直接取り除く」「損傷した正常臓器を直接修復する」・・・手術により、患者さんおよびご家族の方々が満足した状態で退院をしてもらえるよう、日頃より高い責任意識を持ってスタッフ一同取り組んで参ります。
外科疾患に関してお困りのことがございましたら、ご遠慮なくご相談ください。引き続きJCHO北辰病院外科をよろしくお願い申し上げます。

(JCHO札幌北辰病院 外科 下國 達志)

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