医療の現場から『泌尿器科:診療拡充・二次救急再開のお知らせ』(2016.07)

泌尿器科では小児から高齢者まで多岐にわたる疾患について診療を行っており、小児では外陰部疾患(包茎・停留精巣・陰嚢水腫など)、成人以降では排尿に関わる疾患(前立腺肥大症・過活動膀胱・尿失禁など)、尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎・前立腺炎など)、結石関連疾患(腎・尿管・膀胱結石)、また副腎腫瘍などの良性腫瘍や、腎癌・腎盂尿管癌・膀胱癌・前立腺癌・精巣癌などの悪性腫瘍に対して、手術や薬剤による治療を行っています。また、高齢の患者さんが多い背景もあり、様々な合併症をお持ちの患者さんへも対応しております。
これまで当院は部長の松田博幸先生、三橋公美先生の2名体制であったため、マンパワー不足が顕著であり、患者さんならびに地域医療機関の皆様方からの要望に充分にお応えできなかった側面もあったかと思います。今年度から私が赴任して3名の日本泌尿器科学会認定専門医が診療にあたっており、より充実した診療を行える体制となりました。
私はこれまで札幌では北大病院・北海道がんセンター・市立札幌病院など、地方では帯広・旭川の各総合病院で泌尿器疾患全般について診療してきましたが、その中でも特に悪性腫瘍の診断・手術・化学療法(内服薬・抗癌剤治療)について経験を重ねてきました。今後も泌尿器疾患全般に対して経験豊富な2名の先生とともに、私も悪性腫瘍の診療を中心に微力ながらも地域医療に貢献させていただきたく思います。

今年度は経尿道的尿管結石除去術のための新規レーザー機器を積極的に活用するほか、今年度は前立腺肥大症・腎盂尿管癌・膀胱癌に対しても新規機器を導入し、より安全で確実な経尿道的診断・手術を行っていきます。また腎癌に対する腹腔鏡手術導入も予定しています。地域医療支援病院としての機能をさらに発揮していくことができますので、地域の皆さんも排尿しづらい、尿の勢いが弱い、トイレが近いといった症状、他にも血尿や左右どちらかの背部痛などがありましたら受診いただくようにお願いします。
また、当院では各診療科の協力の下、泌尿器科二次救急を2016年10月より再開させていただくことになりました。地域医療機関の皆様が泌尿器疾患でお困りのことがありましたら、当院として迅速かつ丁寧に対応させていただきますのでお気軽にご相談ください。今後ともよろしくお願いいたします。

(JCHO札幌北辰病院 泌尿器科 鈴木 英孝)

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