「鼠径ヘルニア(脱腸)を知ろう!」(第14回) (2016.10.13)

2016年10月13日(木)に当院2階会議室にて今年度第4回目(通算第14回)の「いきいき健康教室」(無料医療講演)を開催いたしました。今回は当院の外科医が「鼠径ヘルニア(脱腸)を知ろう!」として、ヘルニアの「成因」「種類」「手術」についてお話しました。

ヘルニアとは臓器の一部が本来あるべき腔から逸脱した状態をいい、外科で治療が行われるものとしては鼠径ヘルニアや大腿ヘルニア、臍ヘルニアなどがあります。これらのヘルニアは、筋肉又は筋膜のないところにお腹の中から力が加わることで腹膜と臓器が飛び出して起こり、飛び出す臓器としては小腸、大網、膀胱、卵巣、精巣などがあります。
今回のテーマである鼠径ヘルニアは、こどもの場合は先天的で、胎児期の鞘状突起(しょうじょうとっき)が閉じずに開いたままであるためです。一方、大人の場合は後天的で、筋肉、筋膜の脆弱化が起こることで筋肉・筋膜の間に隙間ができ、拡大することでそこから臓器が飛び出して起こります。

鼠径ヘルニアの症状として、初期症状は立った時やお腹に力を入れた時に鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部などが出てきて柔らかい腫れができますが、普通は指で押さえると引っ込みます。ですが、次第に小腸などの臓器が出てくるので不快感や痛みを伴ってきます。さらに腫れが急に硬くなったり、膨れた部分が押さえても引っ込まなくなることがあり、ヘルニアのカントン(嵌頓)といいます。この場合は急いで手術をしなければ、命にかかわることになります。

鼠径ヘルニアの根本的治療法は手術しかなく、こどもと大人では術式が異なります。
当院ではこども、大人のどちらの手術にも対応しておりますので、ご相談ください。

鼠径ヘルニア(脱腸)を知ろう!

 第14回いきいき健康教室のパンフレットはこちら(PDFファイル 587KB)

(JCHO札幌北辰病院)

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