X線CT検査

CT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)検査はX線を用いて、体の断面の画像を撮影する検査です。 CTは画像データから様々な断面像や3D画像を作成することができ、身体の内部を詳しく調べることができます。

X線CT検査

検査方法・時間

  • 検査の10分前までに外来窓口で受付してください。
  • 検査前に撮影部位にある金属類などを事前に取り除き、検査着に着替えていただきます。
  • 検査内容によって造影剤という検査薬を使用することもあります。
  • 検査時間は検査内容によって異なり、約10~20分程度です。
X線CT検査

注意していただきたいこと

  • 検査前に薬の服用等にご協力いただくことがあります。
  • 1週間以内にバリウム検査を受けた方はCT検査が出来ない場合があります。
  • 造影剤使用後は水分補給を行い、造影剤の排泄を促してください。
  • 造影剤の使用にはまれに副作用が生じることがありますので、以下の項目等の造影剤についてご理解・ご協力ください。(造影検査問診票への記入及び造影検査同意書への署名をご協力いただいています。)

造影剤検査を受けられる方へ

1. 造影剤とは

CT用の造影剤はヨード製剤でいくつかの種類があります。造影剤を静脈内に注入することで鮮明な画像が得られ、血管の状態、臓器や病変の血流状態や特徴がわかり、精度の高い診断が出来ます。造影剤を使わなければ病気を見つけることができないことがあります。

2. 造影剤で副作用が起きやすい方

アレルギー体質の方は副作用を生じる可能性が約3倍高く、なかでも気管支喘息の方は約10倍といわれています。次に該当する方は、造影検査の前に主治医とご相談ください

  1. 以前に、MRI用またはCT用の造影剤で具合が悪くなったことがある。
  2. 気管支喘息やアレルギー体質と診断されている。
  3. 重い腎臓の機能低下がある。
  4. ビグアナイド系の糖尿病薬を服用している。
  5. 重篤な甲状腺疾患と診断されている。
3. 造影剤の副作用

検査中や検査直後(即時型副作用)もしくは、検査後数時間から数日後(遅発型副作用)に生じる副作用があります。

  1. 即時型副作用 軽い副作用:吐き気、嘔吐、熱感、皮膚の異常、くしゃみ、せきなど 重い副作用:冷や汗、血圧低下、胸が苦しくなる、呼吸困難など(10万人にひとり程度)
  2. 遅発型副作用 検査後数時間から10日後くらいの間に、体のだるさ、頭痛、皮膚の異常など
  • 症状がでた場合は、病院までお電話ください。
4. ビグアナイド薬内服患者の造影剤使用による副作用出現の危険性

糖尿病治療薬の1つであるビグアナイド薬を内服している患者さんが造影剤を使用することにより、まれに乳酸アシドーシスという重篤な副作用を起こすことがあります。そのため、造影剤使用前48時間、使用後48時間の休薬が必要になります。

5. 造影剤による急性期副作用への対応について

放射線部門における造影剤を使用する検査にはCT検査やMRI検査及び血管造影検査などがありますが、副作用発現時に素早く行動し、看護師、放射線技師、医師などがスムーズに連携することで、より適切な対応ができるように、定期的なトレーニングとして多職種参加型の副作用発現シミュレーションを年2回実施しております。

80列マルチスライスCT装置 〜Aquilion PRIME・Aquilion PRIME SP (キャノン社製)〜

 CTとはComputed Tomography の略でX線を身体に照射し、透過したX線をコンピュ-タ処理により画像化する検査です。当院では2台の80列マルチスライスCTを使用し、広範囲を短時間で撮影することが可能となっています。
マルチスライスCTの大きな特徴は次の通りです。

 

 ① 大幅な撮影時間の短縮ができる
 ② 非常に細かい間隔(0.5㎜スライス厚)での撮影ができる
 ③ 鮮明な3D画像が構築できる
 ④ 一度の息止で広範囲撮影ができる

 当院では心臓の血管(冠動脈)の撮影が可能であり、年間800例ほど検査が行われております。従来、冠動脈を画像化するには心臓カテーテル検査が主で、通常は入院が必要となりますが、CTによる冠動脈検査では、腕の静脈から造影剤を注入し撮影することで外来での検査が可能です。取得したデータからは3D画像を作成でき、これにより血管や骨などを観察しやすく3D表示することができ、診断・治療に有用とされています。
 また、炭酸ガス注入機導入により、大腸CTが可能になりました。大腸CTとは、内視鏡を使用せず大腸を観察することができる検査です。大腸を炭酸ガスで膨らませながら撮影し、検査時間も15分ほどです。内視鏡に比べ苦痛が少なく、内視鏡挿入困難な方でも検査が容易であります。前処置についても内視鏡検査よりは下剤の量は少なくなっております。よって、大腸CT検査は内視鏡検査よりも楽に短時間で検査することができます。