2014年1月31日(金)、午後5時15分から当院エントランスホールにおいて、『第15回市民公開フォーラム』(第67回札幌社会保険総合病院開院記念行事)を開催しました。
第1部はソプラノ・鈴木敦子さんの歌と、ピアノ・神原希未さんの演奏、第2部は当院薬剤師の井藤薬剤部長による記念講演で「これが正解、お薬の飲み方」の講演を行いました。
大雪で天気が悪い中、ご参加いただきありがとうございました。
記念講演「これが正解、お薬の飲み方」
薬を正しく使っていただくために、まず副作用という概念についてお話しました。副作用には大きく2つに分けられます。1.薬は患部だけで効果を発揮するのが理想ですが、血液循環にのって全身をめぐるため、予想しないような副作用が現れることがある。2.薬が予想した効き目より強く作用を発揮することがある。以上の2つは全く違う事象ですが、良からぬ作用という点では共通しています。
また、副作用と似ていますが、薬の相互作用という現象も起こります。これは2種類以上の薬が影響しあって薬の効き目が変化する現象を言います。さらに、薬は食べ物とも相互作用を起こします。その代表格は抗血栓薬のワルファリンと納豆です。このような相互作用を起こさないためにも自分の薬をよく知ること、お薬手等の活用も重要です。
そして本題の薬の飲み方ですが、薬の飲むタイミング、食前、食間、食後の意味を理解すること。
薬を飲み忘れてしまったら場合の対処法として1日3回服用の場合は、次を飲むまでに最低4間以上、1日2回服用の場合は6~8時間以上空けることが必要となります。飲み忘れたからといって、1回に2回分は絶対に飲まないように。
液剤は成分の一部が沈んでいることがあるので軽く容器を振ってから服用する。
坐薬は太い方から肛門内に挿入する。
点眼剤を2種類以上使う場合は5分以上間隔を空ける。
錠剤を水なしで飲んでもよいかということについては、薬が食道にひっかかって潰瘍を起こしたり、粉の一部が飛散して気管に入る危険性があるので必ずコップ半分~1杯の水で服用すること。
薬を水以外で飲んでもよいかということについてはコーヒーやお茶はカフェインが含まれているため、薬と成分が重複してしまう危険性があること。アルコールは薬の効果が強くなったり、肝機能を悪化させる危険性があるため望ましくない。
錠剤を砕いたり、カプセルを外して服用してもよいかということについては、胃で溶けずに腸で溶けるような剤形(腸溶錠)、効果を長く持続させる剤形(徐放錠)などがあるため、注意が必要となります。
最後に、かかりつけ薬局をもつことは副作用や相互作用を防ぐ意味でも重要であり、薬剤師を活用していただきたいということでお話を終えました。
(札幌社会保険総合病院 薬剤部長 井藤達也)