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医療の現場から『乳腺MRIについて』 (2013.04.23)

MRI放射線科と聞くと「レントゲン写真を撮るところ?」と思われている方が多いことと思います。必ずしもハズレとは言えないのですが、放射線診断科は、撮影されたさまざまな画像から患者さんの病態を解明し診断する仕事をしています。
取り扱う画像は「レントゲン写真」と呼ばれる単純X千写真の他に、コンピュータを用いて体の断層像を得るX線CT、X線を用いず磁石の力で体の内部構造を観察するMRI、放射線薬剤を用いて体の動きを画像化する核医学検査などがあります。今回はこのうち、乳腺のMRIのお話をします。
生涯に乳癌を患う日本人女性は、16人に1人の割合といわれ、増加しています。乳癌は早期に発見すれば治癒率が高く、90%以上が治るとされていますが、乳がんによる死亡数は年々増加し、30~64歳では癌による死亡原因の1位となっています。
乳癌の早期発見には定期検診やマンモグラフィーが有用です。マンモグラフィーや超音波検査で何らかの異常が見つかった場合、乳腺MRI検査を行います。乳腺MRI検査はマンモグラフィーや超音波検査よりも精密な形態を映し出すことができるほか、病変部分が造影剤に染まってくるパターンを解析することによって、悪性か、良性かがある程度診断できます。また癌と診断された場合、その広がり方を正確にかつ立体的に現すことができるため、手術の時の最適な切除範囲を決定したり、手術前の抗癌剤治療の効果を判定するために非常に重要です。
乳房に対しては、乳腺専用受信コイルというものを使用することが推奨されていますが、日本では他のコイルで代用している施設が多いのが現状です。当院では2010年1月に最新の乳房専用受信コイルを導入しました。乳房専用コイルと汎用コイルとの違いは、例えていうとテレビのハイビジョン映像と普通の映像の違いのようなものです。汎用のコイルでは1mm程度の主要や内部構造を映し出すことが限界だとすると、乳房専用コイルでは0.5mm以下の内部構造を鮮明に映し出すことも可能です。何か異常があるようだけど小さくて詳細が分からなかったものが、乳房専用コイルによって鮮明に映し出されます。
一般にMRI検査は上を向いてベッドに寝ていただくのですが、乳腺のMRIはうつ伏せに寝ていただき、受信コイルを装着します。検査時間は30分程度です。また、放射線を使いませんので被爆の心配はありません。

(札幌社会保険総合病院 放射線診断科 田中七)

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